まつなみ行政書士事務所

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任意後見について(その1)

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高齢者人口の増加

よく言われていることですが、現在日本では平均寿命の上昇や出生率の低下からいわゆる少子高齢化、総人口における高齢者人口の割合が増加しています。
50年後の2070年には日本人の約4割が65歳以上の高齢者になると予想されています。

 2023年2070年
総人口1億2475万2千人8700万人
高齢者人口3617万3千人3367万人
高齢者人口率29%39%

高齢者の割合が増えると何がそんなに問題になるのでしょうか?
例えば労働者人口が減ることにより国の経済力が低下する、社会保障の給付と負担のバランスが崩れるなど、深刻な問題点は多々ありますが、ここではそのようなマクロ視点ではなく、まずその高齢者本人が日常生活でどのように困るのか、という個人レベルの問題について考えていきます。

加齢による衰えへの対策

加齢による衰えや病気、判断力の低下は、だれにでも訪れ、防ぐことはできません。また人によっては認知症の症状が現れてしまう人もいるでしょう。

日本の65歳以上の高齢者人口の内、認知症に罹患する割合は約6人に1人と言われており、またその割合と人口数は増えていくと予想されています。

認知症となったら、何が困るのでしょう?
症状として主に記憶障害、実行機能障害、意欲低下が発生すると言われています。
記憶障害:「同じことを何回も話す・尋ねる」「物の置き忘れが増え、よく捜し物をする」など
実行機能障害:「以前はできた料理や買い物に手間取る」「お金の管理ができない」など
意欲低下:「ニュースなど周りの出来事に関心がない」「意欲がなく、趣味・活動をやめた」など

金融機関側も認知症であることが分かれば、本人が取引することを停止する手続きをとるので、その方はお金をおろすことができなくなります。さらに保護してもらおうと介護サービスや福祉サービスを利用しようとしても契約することは難しくなるでしょう。

これでは日常生活を送ることもできません!

認知症になるかもしれませんし、ならないかもしれません。どうなるかは誰にも分かりません。
もしそうなってしまったら、周りの人が助けてくれるかもしれませんが、その期待はどこまで自分の意に沿うものかは不透明です。例えばちょっと苦手な人に後見をお願いすることにもなったら、それはお互いにとって不幸になってしまいます。ですからそうなる前、つまり判断能力が十分あるうちに、いざというときのための体制を自ら整えておくのです。

有効な対策とされているのは任意後見という制度です。

任意後見制度とは

簡単に言いますと、保護を必要とする人が、任意で後見人を決めて、その後見人に①財産管理②介護・医療契約③日常の金銭管理などを代理で行ってもらうことにより、自分自身を守れるようにする制度です。

判断能力が低下すると①~③などを適切に行うことが難しくなり不安を感じますから、任意後見人はこのニーズに対応することを求められます。

任意後見と似たものに法定後見というものがあります。
一定の人物(本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官)が裁判所に成年後見開始の審判の申し立てをし、裁判所が後見人を選任してくれます。

後見人が行うことは似ていますが、後見人の選任方法に大きな違いがあります。
任意後見制度ではまだ判断能力が十分残っているので、自分で後見人を決めることができますが、法定後見制度では裁判所が決めることになります。
では次に任意後見制度のメリット・デメリットを整理しますので、その制度の利用可否を判断してみてください。

メリット・デメリット

(1) 任意後見制度のメリット

任意後見制度のメリットとしては、以下のものが挙げられます。

①任意後見人を自分で選ぶことができる
判断能力が十分ある時点で自らの希望する人を任意後見人にすることができます。
親族はもちろん、信頼できる第三者や、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家も選任可能です。

②任意後見人の権限もあらかじめ決めることができる
任意後見人の権限は、任意後見契約によって定められた事項に限られます。
そのため、自分が希望する支援の内容をあらかじめ契約に盛り込んでおくことによって、自分の判断能力が低下した後も自分の意思を反映させた財産管理などを行うことが可能になります。

③後見監督人による監督が期待できる
任意後見制度では、任意後見人の事務処理を家庭裁判所によって選任された後見監督人が監督することになります。
本人の判断能力がなくなった後も、任意後見人による不当な財産処分を防止することが可能となりますので、安心して利用をすることができます。

(2) 任意後見制度のデメリット

任意後見制度のデメリットとしては、以下のものが挙げられます。
①死後の処理を委任することができない
任意後見人の権限は、本人の死亡によって終了します。
そのため、本人が死亡した後の葬儀、自宅の片づけ、相続手続きなどを任意後見人に委任することはできません。

②取消権がない
法定後見制度では認められている取消権というものがあります。これは日常生活での買い物程度は対象外ですが、その他の行為は全て後見人が取消しすることができるものです。これにより、被後見人の財産トラブルから守ることができるのです。
しかし、任意後見人には、法定後見制度で認められている取消権が存在しません。

本人が消費者被害になどによって不利な契約を締結してしまったとしても、任意後見人には、その契約を取り消す権限はありません。そのため、本人の財産を保護するためには不十分なこともあります。
もし取消権が必要なのであれば法定後見を選択した方がいいかもしれません。

任意後見制度の種類

(1) 移行型

任意後見契約の締結と合わせて、生活支援、療養看護(見守り契約)、財産管理などに関する委任契約の締結をするというものです。
本人の判断能力があるうちは生活支援等を行いますが、本人の判断能力が低下した後に任意後見に移行します。
判断能力があるといっても、年齢を重ねるうちに身体機能が低下して、それまで自分でできていたことが難しくこともあります。現在のサポートともに将来の財産管理もお願いしたいという場合には有効な手段です。

最近の調査によればこの移行型の任意後見が全体の75%を占めており、最もポピュラーな任意後見制度の類型と言えます。

(2) 将来型

前述の「移行型」とは違い、委任契約(生活支援、療養看護、財産管理など)は締結せずに、任意後見契約のみを締結するというものです。
将来委任者の判断能力が低下するまで代理権を発生させない類型です。

(3) 即効型

即効型とは、すでに本人の判断能力が低下し始めており、すぐにでも任意後見を始めたいという場合に選ばれます。任意後見契約を締結した後、すぐに契約の効果が生じ、家庭裁判所に対し任意後見監督人の選任申立てを行います。
どの程度の判断力を必要とするかは難しい問題ですが、少なくとも任意後見制度の趣旨、つまり財産管理と身上保護を受任者に依頼すること、契約をした場合としない場合でどういう結果になるのか、その利害損失を判断する能力が必要です。また本人が進んで任意後見制度を利用したいという積極的な意思も必要です。 (軽度の認知症であれば、任意後見契約自体は可能です。)

次回は任意後見契約を締結するための手順についてお話します。


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