事前計画を丁寧に
自分のキッチンカーで何を売るか、誰に売るか、どこで売るか、を計画することが何よりも大事です。
家を建てる前に設計図を作るように、キッチンカーで料理を提供する未来を創るためには、そうなるだけの準備が必要です。
どこの誰にどんな料理を食べてもらうか。
あなたの得意料理もいいでしょう。
しかし、ビジネスとして成り立つかどうかはそれとは別ですし、また役所の許認可がとれるかどうかの心配もあります。
恐らくキッチンカーでのビジネスをやろうと考えている方は、どこかでキッチンカーでお客さんとして商品を買ったことがあることでしょう。
ぜひ今度は経営者目線で、なぜこのキッチンカー屋さんはこの日この場所でこの料理を出しているんだろうとみて下さい。
競合他社調査はマーケティングの基本ですから、そこから自分のキッチンカーでの経営戦略が見えてくるかもしれません。
おいしい料理、得意なメニューでも、キッチンカー内で提供する場合、手持ち資金や経費とバランスを考えたら別の方法を考えた方がいい時もあります。
がっちり決める必要はありませんが、いくつかの素案ができたら、次は保健所へ相談に行きます。
計画段階で、どこで営業するかが決まったら、そこを管轄する保健所や保健センターに相談に行きます。
例えば愛知県で営業するなら下記を参考にしてまずは事前相談の連絡をします。
保健所管轄区域案内 愛知県|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
保健所で事前相談
ここではあなたのキッチンカーで営業するために、保健所から『営業許可』をもらうことがミッションとなります。
まずは自分の提供したいメニューとどこで開催したいかの計画を保健所に相談します。するとそのためにキッチンカーにどのようなことをしなければならないかを詳細に教えてくれます。
あなたのやりたいこと、メニュー、またエリアによって、営業許可の条件は少しずつ変わっていきますが、ここではどの自治体でも要求されている大枠について説明します。
- 運転席と調理場の仕切りは完璧か
→食中毒を防ぐため - 給水、排水タンクの容量は適切か
→提供メニューや調理工程により40L、80L、200Lと基準が変わる - シンク
→手洗い用・調理器具洗浄用の最低2つ必要。さらに大きさについて指摘される場合も - 収納スペース
→扉などで虫やホコリが入らないように隙間なく密閉できるか - 手洗い石鹸
→清潔な状態を保って食中毒を防ぐため - 換気扇
→虫が入ってこないように網戸付きの換気扇にするなどの対策も必要 - 冷蔵庫
→保冷が必要な食材を扱う場合。発電設備もお忘れなく。
- ゴミ箱
→フタつきのもの。大きさを指定される場合も。 - 仕込み場所は確保できているか
→キッチンカー内で調理を完了させることができない場合、原則自宅で仕込みをするのは禁止されています。その場合は、シェアキッチンか、知り合いの飲食店を借りるかという方法が考えられます。仕込みをする場所でも営業許可されていることが要件になるのです。 - 食品衛生責任者資格
→約6時間の講習を受けるだけで資格を取得することができます。なお調理師・栄養士・製菓衛生師などの資格保有者は講習会と受講料が免除され、申請だけで食品衛生責任者の資格を取得できます。
食品衛生責任者ごあんない – 一般社団法人 愛知県食品衛生協会/食品衛生センター (ai-syoku.sakura.ne.jp)
キッチンカー準備
保健所からのアドバイスを受け、要件がわかりましたら、そのチェックリストを基にキッチンカーを作りましょう。イチから作る人もいれば、中古車を購入したり、レンタルしたりする人もいるでしょう。
ここには少し時間がかかるでしょうから、同時並行で営業許可の申し込み申請書も書いていきましょう。
申込書の提出
一般的に以下の書類の提出が必要です。
- 営業許可申請書
- 営業設備の大要・配置図
- 営業の大要
- 仕込み場所の営業許可書の写し
- 仕込み場所の水質検査証明書
- キッチンカーの車庫証明・地図
- 食品衛生責任者の資格証明書
- 車検証のコピー
- 排便検査の成績書
キッチンカーの検査
保健所にキッチンカーを持ち込んで検査してもらいます。
チェックリストを見ながら漏れがないかを再チェックしましょう。
無事検査が通ったら、キッチンカーの中に提示しておけば、営業することができるようになります。