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倉庫の種類とそこに保管できる物品について

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倉庫業法で『倉庫業』とは、寄託を受けた物品を倉庫で保管を行う営業のことと定義されています。
倉庫業法第二条2項
倉庫と一口に言いましても保管するものは様々です。そもそもが保管物を棄損させないための倉庫ですので、保管物の性質によって倉庫に求める基準は変わっていきます。
ここでは倉庫業法・倉庫業法施行規則で定められている倉庫とそこへ保管する保管物の種類について解説していきます。

倉庫の種類について

倉庫業法施行規則では倉庫の種類を以下の10種類と定義しています。

1類倉庫:最も厳しい施設基準をもつ建屋型倉庫。幅広い物品を保管できる
2類倉庫:1類倉庫の施設基準から耐火性能が求められていない建屋型倉庫。つまり燃えにくいもの(麦、でんぷん、飼料、皮革、鉄製品、セメントなど)を保管できる
3類倉庫:2類倉庫の施設基準に加え防水性能・防湿性能・防鼠措置も求められていない建屋型倉庫。つまり燃えにくく水につよいもの(ガラス、陶器、鉄材など)を保管できる。

 耐火性能防火性能防湿性能防水性能防鼠措置防犯措置保管物の例
1類倉庫日用品 繊維製品 紙パルプ
2類倉庫××麦 飼料 セメント
3類倉庫×××××ガラス 陶磁器 鉄材

野積倉庫雨風にさらされてもよいもの(鉱物、木材、自動車など)を、柵や塀で囲まれた区画内で保管する
水面倉庫:陸上で保管しづらい原木などを水面で保管する
貯蔵槽倉庫バラ積みする農作物や飼料(麦・トウモロコシのバラ状の穀物、糖蜜など)をタンクやサイロで保管する
危険品倉庫:消防法で定められた危険物を保管するので施設設備は大変厳しい。保管する物品の種類によって様々な規定(消防法高圧ガス保安法など)がある

種別性質品名
第一類酸化性固体塩素酸塩類・過塩素酸塩類・無機過酸化物・亜塩素酸塩類・臭素酸塩類など
第二類可燃性固体  硫化りん・赤りん・硫黄・鉄粉・金属粉など
第三類自然発火性物質および禁水性物質カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄りんなど
第四類引火性液体特殊引火物・第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類など
第五類自己反応性物質有機過酸化物・硝酸エステル類・ニトロ化合物・ニトロソ化合物・アゾ化合物など
第六類酸化性液体過塩素酸・過酸化水素・硝酸・その他のもので政令で定めるもの・前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの

総務省消防庁:消防法令抜粋(消防法上の危険物の定義、試験方法など)

冷蔵倉庫10℃以下で保管することが適当な貨物(生鮮品や冷凍食品など)をその特性に併せて保管する
トランクルーム:主に個人財産(家具家電、骨董本、書籍など)を保管する
特別の倉庫:災害の救助その他公共の福祉を維持するための物品を保管する

倉庫に保管する物品

倉庫業法施行規則では、どのような物品は10種類の倉庫の内どこに保管すべきかを定めています。

物品の種類と保管可能な営業倉庫

種類内訳1類倉庫2類倉庫3類倉庫野積倉庫水面倉庫貯蔵槽倉庫危険品倉庫冷蔵倉庫
第一類第二類物品、第三類物品、第四類物品、第五類物品、第六類物品、第七類物品及び第八類物品以外の物品    バラ※  
第二類でん粉、ふすま、飼料、塩、野菜類、果実類、水産物の乾品及び塩蔵品、皮革、肥料、鉄製品その他の金物製品、セメント、石こう、白墨、わら工品、石綿及び石綿製品   バラ※  
第三類板ガラス、ガラス管、ガラス器、陶磁器、タイル、ほうろう引容器、木炭、パテ、貝がら、海綿、農業用機械その他素材及び用途がこれらに類する物品であつて湿気又は気温の変化により変質し難いもの     
第四類地金、銑鉄、鉄材、鉛管、鉛板、銅板、ケーブル、セメント製品、鉱物及び土石、自動車及び車両(構造上主要部分が被覆されているものに限る。)、大型機械その他の容大品(被覆した場合に限る。)、木材(合板及び化粧材を除く。)、ドラムかんに入れた物品、空コンテナ・空びん類、煉瓦・瓦類、碍子・碍管    
第五類原木等水面において保管することが可能な物品   
第六類容器に入れてない粉状又は液状の物品       
第七類危険物(消防法第九条の四第一項の指定数量未満のものを除く。)及び高圧ガス(高圧ガス保安法第三条第一項第八号に掲げるものを除く。)       
第八類農畜水産物の生鮮品及び凍結品等の加工品その他の摂氏十度以下の温度で保管することが適当な物品       
※『貯蔵槽倉庫』列の「バラ」とは、袋や容器に入っていないバラ積みされたもの

まとめ

倉庫業を行うには、国土交通大臣の行う登録が必要です。
どのような物品を保管するつもりなので、どの種類の倉庫にしようか、と申請前に計画するのが第一歩です。倉庫の種類によって用意する申請書類が大きく変わっていくからです。(申請書類については次回詳しく解説します。)
例えばはじめは陶磁器だけ保管するつもりなので3類倉庫で十分と考えていても、その後扱う物品の幅が増えて3類倉庫では認められていない物品を預かることも考えられます。このため予め1類倉庫で申請するケースが多いようです。


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