まつなみ行政書士事務所

交通事故被害者請求、障害福祉サービス施設の運営サポートなら、まつなみ行政書士事務所!


まつなみ行政書士事務所

交通事故被害者請求、障害福祉サービス施設の運営サポートなら、まつなみ行政書士事務所!


放課後等デイサービスの開業準備について

, ,

まず放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、児童福祉法に基づく福祉サービスの一つで、障害がある、または発達に特性がある小学生・中学生・高校生(6歳~18歳)の児童が利用できる通所支援サービスです。
彼らの授業が終わった後や休日などに事業所へ通って、日常生活で必要な訓練や、学校や家庭と連携した支援を提供しています。

もし放課後等デイサービスを開業するとなると、その利用料金は原則都道府県・自治体から9割負担されることもあるので、様々な要件をクリアしていかなければなりません。
ここでは、放課後デイサービスを開業する前にどのような準備が必要かを調べてみました。

法人の設立

まず放課後等デイサービスを行う運営主体は、法人でなくてはいけないと定められています。
新たに設立してもいいですし、すでに持っている会社で新たに放課後等デイサービス事業を始めることもできます。
ただその場合は、定款の目的に当該事業を行うための適切な文言、例えば「児童福祉法に基づく障害児通所支援事業」などと記載する必要があります。

ではどの種類の法人を新たに設立する場合ですが、いくつか種類(『株式会社』『合同会社』『NPO法人』『社会福祉法人』など)がある中で、多くの既存事業者は『株式会社』を運営主体にしているところが50%以上のようです。
放課後等デイサービスの実態把握及び質に関する調査研究
その理由は、法人として信用度が比較的高く、資金調達・採用募集に有利になるからだと言われています。

資金調達

法人が設立できましたら、開業資金・運営資金について考えてみましょう。
法的な要件ではありませんが、現実的な問題として、放課後等デイサービスを開業するにはおよそ1500万円以上は必要だと言われています。(自分の持家や車両で事業に供することができる場合や、事業承継する場合でしたら上記より低額になることもあります)

何しろ自治体に申請を出す前に法人設立や事業所物件を用意しなければいけないため、準備段階でそれなりの初期投資が必要になると覚悟してください。
それではどのように資金を準備するのか!?

貯えで何とかなる方でしたらそれでいいでしょうが、多くの方は難しいかもしれません。その場合は、政府系金融機関である日本政策金融公庫が、新規開業資金制度や新創業融資制度などの申請を検討してもよいかと思います。
(この申請をするには『株式会社』を設立していると大変有利だと言われています。)
無保証人・無担保で受けられる融資もあるので、まずはお近くの窓口で相談してみてもいいでしょう。
新規開業資金|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)
新創業融資制度|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

事業所物件・設備整備

資金調達の目途が立ち、資金のうち何にいくらまで使えるなどの事業計画ができてきましたら、本格的に事業所の物件を探しましょう。
先述した通り、事業所物件が用意できないと自治体に開業申請をすることすらできません。
多くの自治体では、厚生労働省によるガイドラインを参考にした設備基準を定めており、申請者の事業所がそれに適っているかをまず申請提出前に判定することになっているからです。
放課後等デイサービスガイドライン
一例としては下記のようなものです。

機能訓練室広さ:2.47㎡/人 以上
定員:10名程度
その他:訓練に必要な機械器具や設備があること
遊戯室広さ:1.65㎡/人 以上
相談室広さ:4~5㎡ 以上
洗面所・トイレそれぞれ独立していること
事務スペースプライバシーが確保できる空間であること

自治体によっては、また通所する児童によっては、上記以外の部屋も必要となってり、広さの基準が上がったりします。また建築基準法や消防法などの関係法令により定められた基準を満たしていることも必要です。事業所物件の目途が立ったら、それを契約する前にまず管轄の自治体に図面を持って事前相談した方がよいでしょう。

人員配置基準

最後にヒトです。
児童と直接接する児童指導員などの人員の確保は開業してからもずっと留意しなければいけません。

人員に関する要件は下記のとおりです。

管理者1人以上(業務上の支障がなければ兼務可)
児童発達支援管理責任者1人以上は常勤専任
児童指導員
保育士
その他
・1人以上は常勤
・児童10人までなら2人以上。その後児童5人刻みにつき1人以上追加する
・「その他」として、ケアスタッフ(理学療法士、言語聴覚士など)も含めることも可能
 ただし半数以上は児童指導員または保育士であること

この人員確保は非常に大事で、例えば、自治体への申請時には基準を満たした人員がいたのに開所直前に急に辞退されてしまい、人員基準を満たさなくなった結果指定取り消しとなり開所できなくなる、というケースも考えられます。また無事に開所しても、数年後には従業員の退職などで人員基準を満たさなくなった場合も事業を継続することはできなくなります。安定して経営するためには、あらかじめ余裕を持った人員確保、また安定して働いてもらうための環境整備従業員ケア・待遇改善が重要になってくると思います。

また児童の送迎が多いのであれば、専任の送迎スタッフを確保しておくのもお勧めです。もちろんその分の人件費は発生しますが、児童指導員さんなどが送迎まで兼任するとなるとかなりの負担になるので、長く働いてもらうためには必要経費になるのかなと思われます。

まとめ

放課後等デイサービス開業に必要なことは、①運営主体である法人の設立②資金調達③事業所物件④人員確保です。

ただ③④については自治体によって独自の基準が設定されている場合がありますので、まずは事前相談されることを強くお勧めします。 また無事開業した後は、事業継続できるように、関係法令や基準に則った運営が不可欠です。


Recommended
『福祉サービス』につ…
Cresta Posts Box by CP
PAGE TOP