スタッフとこれからも働きたい
私の家はいわゆる移動支援を専門とするNPO法人を経営していたのですが、
父が商売下手だったのもあるでしょうが、何しろ十分な報酬を提供することが難しく、人材確保は長年の悩みでした。
信頼できるスタッフに長く働いてもらうために、待遇を整えていくことは経営者には大事なことです。
業界全体でも同様の問題が叫ばれていたためか、2009年に国は介護職員処遇改善交付金を創設し、処遇改善対策として介護報酬に上乗せ支給する仕組みが始まりました。
しかし、事業所がその申請をし、定期的にお金をいただくには、細かな手続きが必要になります。
事業所の代表者さん自身も現場に出る必要があるような規模の小さな事業所では、「お金は欲しいけどそんな面倒なことをする時間はないよ」というのが本当のところではないでしょうか。
処遇改善加算を取得するために
ここでは、処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ加算を取得するために必要なことを解説します。
3種類あります。
出典:厚生労働省『障害福祉人材の処遇改善について』(R4.5.9)
(1)処遇改善加算
対象:福祉・介護職員のみ
算定要件:以下の通りキャリアパス要件及び職場環境等要件を満たすこと
<キャリアパス要件>
①職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
②資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること
③経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること
※就業規則等の明確な書面での整備・全ての福祉・介護職員への周知を含む。
<職場環境等要件>
賃金改善を除く、職場環境等の改善
(2)特定処遇改善加算
対象:事業所が、①経験・技能のある障害福祉人材、②他の障害福祉人材、③その他の職種に配分
算定要件:以下の要件をすべて満たすこと。
※福祉専門職員配置等加算、特定事業所加算の取得状況を加味して、加算率を二段階に設定。
➢処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
➢処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
➢処遇改善加算に基づく取組について、ホームページ掲載等を通じた見える化を行っていること
(3)ベースアップ加算
対象:福祉・介護職員。ただし、事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。
算定要件:以下の要件をすべて満たすこと。
➢処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
➢賃上げ効果の継続に資するよう、加算額の2/3は福祉・介護職員等のベースアップ等(※)の引上げに使用することを要件とする。
※「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」
とこのように、福祉・介護職員のみではありますが、まず(1)を取得できるように目指しましょう。少なくても月額1.5万円相当です。
その上で、要件に該当すれば(2)(3)も重ねて受給することも可能です。
ただし毎年計画書と実績報告書の提出が必要で、近年では外部機関も入り、厳密なチェックが行われます。
上記を読んで思ったかもしれませんが、厚生労働省の資料は難しく、慣れていないと申請を通すのも一筋縄ではいきません。
福祉事業所を経営していくご苦労は少しはわかっているつもりですので、親身になってお話を伺えればと思います。
弊所は初回のご相談は無料とさせて頂いておりますので、ご自身で手続きするのが難しそうでしたら、下記フォームよりご連絡くださいませ。
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